本まるさんかくしかく Blog

古書販売の「本まるさんかくしかく」のオーナーブログです。 見た目の良さにこだわって、少し不思議だけど素敵なビジュアルの古書を趣味で集め、 気づけば、数千冊に。今では販売するまでになりました。ここで個人的な感想とともに 古書をご紹介していきます。

変化

欲しいモノ、欲しくないモノ


いいもの ほしいもの / 秋岡 芳夫 / 新潮社 1984年 2版 / 204x156mm 201p / Hardcover
は「本まるさんかくしかく」で販売中です。

 

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秋岡芳夫が「手づくり」を感じたモノたち。
東京の組紐
宮城の箱家具、
岩手の主婦が作り続けた竹の座布団などなど、
日本全国各地より30点以上のモノを紹介。
本書はアノニマスであることや
デザイナーズであることなどおかまいなしに
モノに視線を注いでいた
秋岡芳夫のスタンスを強く感じることが
出来きる良書です。

 

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特にその寸法には注目していたようで、
「身度尺(しんどじゃく)」を提唱、
人間の体の寸法に作ったものは使いやすく、
体の寸法や体のうごきに合わせてものを作ることを
「“身度尺”で測って作る」と表現していたそうです。
要は人間本位だったのですね。

 

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私も
製品への興味はどんなものにも尽きませんが、
欲しいモノ、欲しくないモノは
あります。

 

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コンラン・ショップの創始者:コンラン卿が来日した時、
京都を巡って、さまざまな伝統工芸品を
今日的評価していました。

 

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最高評価はナイキに靴紐を
供給していた組紐屋さんでした。


使われてこそ、
継続できる。
買われてこそ、
存在できるという判断基準でした。


時代とともに持ち味を活かして、
変化していくことは
すべてに通じることなんですね。