ゴッホ : 少年のための絵による伝記 / 今泉篤男著 / 美術出版社 1958年 / 290x210mm 70p / softcover /
は「本まるさんかくしかく」で販売中です。
作品別に懇切丁寧な説明がなされています。
子供向けを意識した言葉遣いが少し気にはなりますが、
分かりやすく、正直な解説で支障はありません。
また、ここぞという時のカラー図版は
心に刻まれます。
良書だと思います。
黄色、黒、赤もカバーはなんともゴッホらしくありませんか。
目次/
自画像/じゃがいもを食う人々/
パリのゴッホ/はね橋/ひまわり/
絵を描き/パイプをくわえた男/
糸すぎ/医師ガッシュの像/
麦畑の上を飛ぶからすのむれ/おわりに
世の中で美しいとされる行為、愛情、献身、誠実。
ゴッホのは過剰であったことが
世の中において、不幸なことでしたが、
芸術の世界だけでは
ゴッホの過剰は見事に生かされます。
本書の大事なところは
「はじめに」に記されています。
私はゴッホの絵を尊敬し、
ゴッホの絵が好きです。
心惹かれるのは、
この画家が絵によって必死に語ろうとしたことを、
絵そのものを通して理解したいという強い気持ちです。
ゴッホの生涯の伝記を、事細かに知れば、
それでゴッホの絵を深く理解できるというよりも、
むしろゴッホの絵を理解することによって、
この画家の生涯を正しく感じ取ることができると
言った方が良いように私には思われます。
その点で、ゴッホの生涯の歩みと、
ゴッホの作品は
一体のものといってさしつかえないのです。
後半省略。