本まるさんかくしかく Blog

古書販売の「本まるさんかくしかく」のオーナーブログです。 見た目の良さにこだわって、少し不思議だけど素敵なビジュアルの古書を趣味で集め、 気づけば、数千冊に。今では販売するまでになりました。ここで個人的な感想とともに 古書をご紹介していきます。

石川 初  内海 慶一   田中 純  路上と観察をめぐる表現史  考現学の「現在」

路上と観察をめぐる表現史 / 考現学の「現在」/
石川 初 (著), 内海 慶一 (著), 田中 純 (著) /
フィルムアート社 2013 / 210x150mm /
239ページ / softcover /
は「本まるさんかく」で
販売中です。

 

 

考現学って」

 

 

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ストア・フロントを
集めた本はたくさん出版されていますね。


そのお国柄、地域の特徴が
色濃く店頭に反映されていて、
個人的な欲求以上の何かを
提示してくれます。
ニューヨークのものが
お気に入りですが、
その流れで
今回の本題、銀座八丁です。

 

 

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本書の特に銀座八丁は興味深い資料です。
ハリウッドの街路「サンセットストリップ」沿いの
すべての建物を記録した蛇腹式の写真集
『Every Buildingonthe Sunset Strip』は
エドワード・ルシェの作品1966年ですが、
1954年に日本で刊行された『銀座界隈』の
別冊『アルバム・銀座八丁』は
京橋から新橋までを結ぶ中央通り、
通称「銀座通り」沿いの両脇を
鈴木芳一が撮影した一冊は、
テーマやレイアウト、
製本までルシェの作品と酷似しています。

 

 

 

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どっちが先かとか、
どっちがいいではなく、
これに目を向け、
こう、まとめたことに
昔のことながら、
感服しました。

私も改めて、
街に出たら、
もっと、首を振らなければ
なりません。

 

 

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「路上と観察をめぐる表現史─
考現学以後」展覧会の公式書籍です。
広島市現代美術館(2013年1月26日〜4月7日)にて
開催されました。

 

 

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観察の名手たちと、「つくり手知らず」による、
路上のマスターピース
今和次郎らが関東大震災を機に始めた「考現学」とは、
東京の街と人々の風俗に注目し、
生活の現状を調査考察するユニークな研究でした。
その後、1986年に結成された路上観察学会をはじめ、
「路上」の事物を「観察」することで
市井の創造力に注目する活動が、
現在にいたるまでさまざまな分野で
展開されているようです。