本まるさんかくしかく Blog

古書販売の「本まるさんかくしかく」のオーナーブログです。 見た目の良さにこだわって、少し不思議だけど素敵なビジュアルの古書を趣味で集め、 気づけば、数千冊に。今では販売するまでになりました。ここで個人的な感想とともに 古書をご紹介していきます。

小林信彦   東京のロビンソン・クルーソー

東京のロビンソン・クルーソー /

小林信彦 / 晶文社 / 1974年 /

215x157mm / 290ページ 

は「本まるさんかくしかく」

で販売中です。

 

 

ロビンソン・クルーソー

 

 

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本書は小林信彦の最初のエッセイ集です。

著者が個人的に保管していた、

大きな紙袋2つにいっぱいの

スクラップブックに貼り付けられた、

様々な媒体に書きに書いた膨大な

コラムやエッセイを

津野海太郎平野甲賀のコンビで、

どこからでも読むことの出来る

バラエティ·ブックに仕立てたそうです。

 

映画、 芝居、 落語、 演劇、 テレビ番組、

ミステリー小説など広範なジャンルを縦横に、

 鋭い語り口で批評を加える著者の真骨頂を

存分に楽しむことが出来ます。

 

 

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著者小林信彦実弟小林泰彦赤塚不二夫による

挿絵や写真図版を交えながら、

マルクス兄弟から山田風太郎

フレデリック・ブラウンまでを

縦横無尽に書き尽くします。

『宝島』から『朝日新聞』まで

初出はさまざまながら、

「1960年代」という時代の空気は

しっかりとパッケージされた記念碑的一冊だそうです。

 

 

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下町に育ち、歌舞伎や寄席に親しんだ文人には

強烈な「おたく」感を持つ人が多い気がします。

好き嫌いが明快なせいでしょうか?

敵も多いようで、痛烈な攻撃文もよく見ます。

 

彼の根底には

「芸人のうまい下手を、くどくどと説明するのは野暮」とか

「芸人は理屈を語るモノではない」が

あったのではないか、と。

 

彼の好き嫌いにすべて、賛成はしませんが、

明快な立ち位置による意見には耳を貸すつもりです。

なにしろ分かり易いんです。

腹に入ります。

 

コロナ渦中、

言語明快&意味不明、責任放棄、目標喪失、現実逃避には

惑わされないようアラートしたいと存じます。