フィンセント・ファン・ゴッホ展 1958年 /
A.M.ハンマーヘル, 嘉門安雄, 海藤日出男編/
美術出版社), 1958 / 230x180mm /
は「本まるさんさくしかく」
で販売中です。
日本最初のゴッホ展。
主催はクロラ=ミュラー美術館、
東京国立博物館、
読売新聞社。
1958年に東京国立博物館と
京都市美術館で開催された
展覧会に合わせて、
制作された展覧会図録です。
130作品を収録、
内カラー図版は10点。
巻末にはしがき、年譜、
目録と解説があります。
巻末にファン・ゴッホ作品130点目録。
クロラ=ミュラー美術館所蔵の名品たち。
《アルルのはね橋》
《緋桃(モーヴの思い出)》
《星の夜のカフェー》
《郵便配達夫ルーラン》
《子守り(ルーラン夫人)》
《アルルの少女》
《サン・レミのサンポール病院の庭》
《糸杉と星の道》
《アルルの女》
当時、
ゴッホ家しかり、
オランダ国民の日本への感情は
極めてよろしくなかったらしい。
本展開催にあたって
来日した館長ハンマーヘル博士に
担当者は。
日本人が如何にゴッホの芸術に
憧れを持っているか、
従って如何に多くの人が
本展に押しかけるかを、
毎日のように説明したそうです。
結果は
東京会場の入場者数は、
452,800人。
会期が42日間なので、
1日あたり10,780人。
本展の一番の人垣作品は、
アルル時代の作品
《アルルのはね橋》と
《ルーラン夫人》
であったそうです。
博士は。
「この日本の観客ほど、
一人一人が真剣そのもののような表情で
眺めている光景にあったことはない。
彼等は単に好き、
というより、
共感してくれている。
素晴らしい展覧会だ、
それ以外に言うことがない。」
こういった話を知ると、
この展覧会を実行するために
尽力した人たちの
例えようのない苦労を
想像せずにはおられません。
実のある実績と
信頼の積み重ねが
毎週のように
素晴らしい展覧会を
見るチャンスが
今、我々にはあるのですね。
今に比べれば、
少し質素で小さな、このカタログにも
誠実に作品を伝えようとする
丁寧な熱がありました。