桂 日本建築における伝統と創造
ワルター・グロピウス 丹下健三 著 石元泰博 写真 ハーバート・バイヤー レイアウト・装幀 造型社 1960年 初版 ハードカバー 228ページ クリアジャケット・函付 サイズ: 335×285mm
は「本まるさんかくしかく」で販売中です。
1954年に訪日し桂離宮に感銘を
受けたワルター・グロピウスにより企画、
1960年に刊行された写真集。
石元泰博が撮影したモノクロ写真に
グロピウス、丹下健三によるテキスト、
図面等を添えて収録。
レイアウト/装幀はハーバート・バイヤーによるもの。
丹下健三による序文です。
この桂の本は、
この離宮のいわゆる記録ではないし、
まして、歴史家的な研究書でも
その年代史的な記述でもない。
また、この本の写真が示している桂は、
現実に存在している桂そのものではないだろう。
むしろ、この本は
一人の建築家と
一人の写真家の心象のなかに生きている
桂の記憶である。
桂離宮は
八条宮家初代の智仁親王と
八条宮家2代の智忠親王の
二人によって、数十年をかけて整備されたそうです。
1600年代前半ですから、
俵屋宗達や本阿弥光悦が活躍した時代です。
二人も光悦サロンで
付き合いがあったかもしれません。
貴族らしい新しもの好きの好奇心と
武士に対抗しようとする文化的誇りが
桂離宮つくらせたのでしょう。
お洒落な時代のお洒落な建物に思えます。
時空を超えて大事にされる遺産には
二人のような
財力あるパトロンと
並外れた文化的教養が必須だったのは
間違いありません。